CALS/EC講習会

(株)藤井基礎設計事務所 新宮敦弘氏を講師に各組合からCALS/EC担当者を招いて講習会を開いた。

平成14年10月5日
 (協同組合島根県土質技術研究センター 大会議室)


       以下簡単な解説ですが、なにか間違いがあればご指摘いただきたいと思います。
       また、図を使用していなのでわかりにくいと思いますが御了承ください。

講習の内容

1:CALS/ECの背景(行政の情報化)
2:国土交通省のCALS/EC
3:CALS/ECの運用・管理
4:地方自治体のCALS/EC
5:他の団体CALS/EC
6:電子入札
7:電子納品要領(案)
8:地質調査報告書の作成手順



各省庁のアクションプログラムの紹介と各地方自治体の対応状況の説明を受けた。

CALS/ECは情報の標準化とネットワークの構築をが必要であり、
@一度作成した情報を関係者で共有する
Aデータの再利用・加工が可能である
B品質の確保・向上
C事業の効率化・コスト縮減
などの効果が期待されている

国土交通省のアクションプログラムは以下の通りである
フェーズ1(’96〜'98)
省サイドの利用環境の整備と様式の標準化
フェーズ2(’99〜’01)
業務成果品の電子納品の開始
フェーズ3(’02〜’04)
業務成果品(調査・計画・設計・施工・管理)でのCALS/ECの導入
電子調達・電子契約開始も含む

各地方自治体の展開はいまだ横並びでないが、島根県の場合はこちらを参考にして下さい。

電子入札については電子入札システムの詳細、関連する技術、これからの課題点などの説明を受けた。

電子納品要領・ガイドラインは2004年度に全体見直しが実施される予定です。
同要領(案)・ガイドライン(案)の入手先はこちらです

国土交通省の電子納品要領・基準についての説明を受けた。

土質試験及び地盤調査結果の電子成果品とは、

@電子データシート(PDFデータとして納品、何を納品するかは発注者と協議のうえ決定する)

Aデータシート交換用データ(電子データシートの基となるファイルが存在するときに納品するがこれも協議の上決定する)

B土質試験結果一覧表データ(土質試験データXML形式で記述して、ファイル名はSLLIST.XMLで¥BORING¥TESTに保存する)

基本的なフォルダーの構成は以下のとおりである。
電子媒体ルート(いわゆるルートディレクトリー)以下に業務管理ファイル(INDEX_XMLおよびINDE_D02.DTD)をおき、同じサブフォルダーにREPORT(報告書フォルダー)以下に報告書ファイル(PDF)と報告書管理ファイル(XML1.00)を置くことになっている。

ルート以下にDRAWINGフォルダー、PHOTフォルダー、SURVEYフォルダー、BORIMGフォルダーを置く。
電子納品要領・土質試験及び地盤調査編で規定するのはBORIMGフォルダー以下のサブフォルダーに
設置するようになっている。
BORIMGフォルダー以下BRG0130.DTDファイルとBORING.XMLファイル(地盤情報管理ファイル)
が必要である。
同フォルダーにはDATA(ボーリング交換用データフォルダー、LOG(電子柱状図フォルダー)、DRG(電子簡略柱状図フォルダー、PIC(コア写真フォルダー)がはいる。
土質試験はTESTフォルダー以下の(ルートから3層目のフォルダー)に電子データシートを設置するようになっている。
要求されているいるファイル、フォルダーは以下のようになっています。
ファイル:GTST0100.DTD、GRNDTST.XML(管理ファイル)、ST0100.DTD、STLIST.XML(試験結果データファイル)
フォルダーBRG0001....BRGNNNNはボーリング孔を利用した場合に必要になります。
                 NNNは当該調査に利用したボーリング調査の連番になります。
ボーリング孔を利用しない場合はSITNNNNフォルダー以下に電子データシート(PDF)を格納します。

土質試験データシートのファイル名はTSNNNMMM.PDFです。
ここに、TSは電子データシートをNNNは試料に割り振られた連番をいい、MMMは電子データシートに割り振られた連番を示します。
また、電子データファイルを作成したオリジナルデータがあればBRGNNNNのサブフォルダーにOrgフォルダーを作成して同様にTSNNNMMM.***のように格納します。

XMLファイルはデータを標準ガイドラインに従ってテキスト化するためにメソッドであると説明されていますが、XML形式のデータを標準化するために、スキーマと呼ばれる言語を利用する必要があります。
同要領では一般的なDTDを使用するよう推奨しています。
しかし、なかなか難解な技術と知識が必要であるので、ソフトウエアーを利用することが最善であると考えます。
他、デジタル報告書作成・編集方法について説明を受けた。
PDFファイルは電子ドキュメント共有プラットフォームシステム(PortableDokumentFormat)といい、
当土質センターではAcrbat5.0Jを利用しています。
PDFWriterでグラフ等の印刷イメージも良好に印刷できます。

これから問題点として、禁則文字(JIS X 0208・・・全角英数、JIS X 0201・・・半角カタカナ、機種依存型JIS X 0208で定義されていない文字)を何気なく使用していたが、PDFファイル上でチェックがかかるとどれぐらい不具合がでるのか分からないとか、ウイルス対策も万全な体制が要求されるので、常に最新情報の更新に気を遣わなければならいとか細部にわたる部分についても注意力が要求されるとの指摘を受けました。
CALS/ECとは公共事業支援統合情報システムをいい

CALS:Continuous Acquisition and LIfe-cycle Support
EC: Electronic Commerce
すなわち、公共事業のライフサイクル全般の調達支援であり、各事業プロセスで発生する情報の電子化、通信ネットワークの利用による情報交換・共有・連携すことにより、受発注者間の電子化を行うことをいう。